Recording in RWANDA ★ 落ち込むこともあるけれど、わたしは元気です!

2010年11月24日

一歩踏み出した!

もう2週間くらい前のことになってしまいますが、

ついに!
受精卵移植、やりました!

受精卵移植というのは、
めっちゃ優秀なお母さん牛の娘がたくさん欲しい、というときにやる技術です。

まず、めっちゃ優秀なお母さんを選びます。
そのめっちゃ優秀なお母さんに一週間くらいかけてホルモン剤を打って
通常、一回に一個しか排卵しないところを、たくさん排卵するようにさせます。

そのあと、そのめっちゃ優秀なお母さんに、めっちゃ優秀なお父さんの精液を使って授精します。
すると、めっちゃ優秀なお母さんのお腹には、
めっちゃ優秀なお父さんとの子供(受精卵)がたくさんできます。

これを放っておくと、五つ子ちゃんとか、十つ子ちゃんとかになるわけですが、
お母さんは一度に一頭の子供しか産めないので、
子宮の中を漂ってるたくさんの子供たちをいったん取り出して、
それを妊娠してない他のお母さんたちのお腹に、ひとつずつ移殖します。
つまり借り腹ですね。

うまくいけば、約10ヵ月後には、それぞれの借り腹から、
めっちゃ優秀なお母さんの子供が何頭も産まれる、というわけです。

ルワンダでは初めての試み。

今回はまったく自信がなかったので
北部州の獣医大学に配属の獣医隊員、牛ノ濱くんにも助っ人に来てもらいました。

受精卵がいくつ取り出せるかは、技術者の腕と、牛のコンディションしだいで、
ベテランがやっても1個も見つからないときがあるので、
いきなり5個も10個も期待するのではなく、
とりあえず1個でも見つかればいいな~くらいの気持ちで。

まずは同僚に作業の流れを体験してほしい。
そして、できれば、「ほら、これが受精卵だよ!」って見せてあげたい!
とにかくやってみるべし!

お母さん牛に麻酔して、子宮にカテーテルを入れていきます。
お母さん大暴れ。。。大苦戦であります^^;
カテーテルがうまく入ったら、
そのカテーテルを通してこの特別な液体を子宮の中に注入します。
で、注入したと思ったらすぐにその液体を回収します。

そう、この回収された液体の中に
もしかしたら受精卵がプカプカ浮かんでる(かも!)というわけです。
この作業を何回かくりかえします。

子宮を通って回収された液体は
とても目の細かいフィルターを通してから廃棄されます。
うまくいけばこのフィルターに受精卵がひっかかってる・・・はず!

さっそく、フィルターにひっかかったものを
顕微鏡で検査します。
受精卵・・・受精卵・・・

・・・・・・

あったぁぁぁぁー!!!
感動の一個目、発見!
すっかり疲れて隣の部屋で牛乳を飲んでる同僚たちを呼びに行きました。
ほら!これが受精卵だよ!!

同僚たちも静かに感動しているのが伝わってきます。
「ゆみ、受精卵はこんな感じに見えたぞ・・・」と絵を描き始めるヴィンセント、
「自分も受精卵見つけたい!」と顕微鏡の席を陣取って
すでに検査済みの液体をにらむクロード。


そう、この瞬間のためにわたしはずっと準備してきんだ・・・(感動の嵐)
感慨深く牛乳を飲みつつ、
回収液は全部検査したから、たぶんもう新たな受精卵は見つからないだろう、
雨も降ってきたし早く帰りたいなー・・・などと考えていたら、


「もういっこ受精卵見つけたーー!」とクロードが言うではありませんか。
顕微鏡をのぞくと、ほんとにもういっこ見つけてました。
受精卵がまだ残ってたことにもびっくりだけど、
それより、粘液やら細かいゴミやらが浮かぶ液体の中で
クロードが自分でちゃんと受精卵を識別できたことに超びっくり。

発見された2個の受精卵はまぁまぁの品質でしたが、
とりあえず、準備してある5頭の借り腹のうちの2頭に、一個ずつ移殖しました。
残りの3頭には、カナダ産の凍結受精卵を解凍して移植しました。

来月、クリスマス前に妊娠鑑定をする予定です。
一頭でも妊娠してくれれば、同僚のモチベーションも上がるというもの。
いいクリスマスが迎えられるように、どうかどうか妊娠してください!!!
祈るような50日間の始まりです。

5 件のコメント:

  1. お~、いろいろおめでとう!!
    なんか感動的だよね~。良かった良かった。
    まわりのスタッフたちも実際体験して、俄然やる気がわいたはずだよ。
    妊娠してるといいね♪

    しかしそれよりも、クロードさんが着てるシャツに付いてるサッカーイングランド代表のエンブレムが気になって仕方ありません。

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  2. いつも楽しく、興味深くblogを拝読しています♪
    皆さんの真剣な眼差しと、先輩の必死の取り組みに感動!
    おめでとうございます!帰国後は、ぜひ書籍の出版を!!

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  3. クロードのまなざしが熱いですね!!
    おめでとうございます!!歴史的一歩!

    帰国後にはうちでも是非とも出版を!
    タイトルは「ルワンダふあんだ!」でいきましょう。

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  4. おめでとうございます!!!

    うう(;_;)
    kiri先生のわくわくしている顔が見れて、ホッとしました。
    めっちゃうれしいですヽ(´▽`)ノ

    どうか、妊娠してますように・・(´人`。)

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  5. >JOJO石
    そうですね、同僚の刺激になればうれしいです。
    この先やっていくのはわたしじゃなくて彼らだから。
    でも、だったらなおさら、
    もうちょっとかっこよくお手本が見せられたらいいんですが・・・
    なんせ専門外なので大変です^^;
    クロードの服は、たぶん欧米からの援助の横流し品です。笑

    >kana
    コメントありがとう!
    わたしもブログ読んでるよ。
    語学留学するんだってね。いいなぁ南米。
    派遣国の第二希望はパラグアイって書いた気がする。
    書籍ねー・・・誰が読むんだろ・・・。

    >y243
    いいね、それでいきましょう。
    あーほんとふあんだわー。
    クロードはなぜかいつも目ヂカラが強いです。
    歴史的一歩になればいいけど、
    一歩で終わったらさみしいよね。
    二歩、三歩と歩んでいってほしいなー。

    >たけちゃん
    いやー、この写真は、わくわくというより
    「うわーやばい、フィルターに血が・・・」とひきつってる顔です。笑
    妊娠してたら報告するね。
    してなかったら黙っときます。

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