Mt.Muhabura → http://wpedia.goo.ne.jp/enwiki/Mount_Muhabura
標高4127メートル。
JICAの健康管理員さんから高山病に関するブリーフィングを受けて、
ドキドキしながら当日を迎えました。
前日に現地入り。
現地に住む隊員に案内され、町のレストランでウサギを食べて精をつけることに。
初めて食べたけど、頬肉がプリップリで最高でした。
あと、脳が白子みたいでこれまた美味。
翌朝、登山口まで車で移動し、いざ出発!
ガイドひとり、ポーター4人、兵隊さん4人がお供してくれます。
どこを歩けばいいかわからないほど、まったく手入れされていない野性的な登山道。
というかケモノミチ。
草をかきわけ、進みます。
ムハブラ山は登山開始後いきなり急傾斜が始まるから、
他の山より難易度が高いんだ!
とガイドが言ってたとおり、
一歩すすむだけで20cmくらい標高が上がっていきます。
意識的に深く吐いて吸わないと、心臓が早鐘を打って苦しくなります。
そんなわたしたちをよそに、ルワンダ人ポーターたちはめっちゃ余裕。
談笑しながら駆け上がって行きます。
ひとり、リタイアする隊員が出たので、ガイドと連絡をとろうとするポーター。
ひょいと木に登って電話する姿は、まさにジャングル育ち(かどうか知らないけど)。
しだいに気温も下がり、
2、3歩ごとに立ち止まらないといけないほど息が苦しくて、
心臓が口から出そうになります。
隊員の中には、吐き気がしたり、体がしびれたり、と
高山病の症状を示す人も出てきて
「いよいよすごいところまで登ってきたんだな」と感じました。
ジャングルはいつの間にか岩だらけの急斜面に変わり、
朝、車の中から見上げた山々がずーっと下のほうに見えます。
看板や目印らしきものが一切ないので、
自分がどこにいるのか、あとどれくらい進むのかがわかないまま、
とにかく黙々と登ります。
正面にそびえているのが頂上。
ここまで来て、まさかのタイムオーバーでした。
あと一時間半あれば登頂できそうだし、
ずっと励まし続けてくれた軍隊の人も
「あと少しだ、頂上には湖があるんだよ!」って言ってくれるし、
ほんとうにほんとうに悔しかったのだけど、
JICA事務所からも明るいうちに宿泊所まで戻ることを強く言われていたので
みんなで引き返すことになりました。
帰りがまたきつかった。
太ももから下が自分のものじゃないみたい。
ちょっとした草のツルや木の根っこをよけることができず、
数え切れないくらいころびました。
このまま転がっていこうかと思うほど、わたしの足は役に立たなくなっていました。
山の土は火山灰のせいで真っ黒で、
それを吸い込むわたしたちの鼻の中も真っ黒。
何度も転んで手も真っ黒。
繰り返し手の甲で鼻水を拭った結果、最後にはみんな頬が真っ黒になっていました。
まるでジャングルで発見された旧日本兵のようでした。
現地に住む隊員宅に戻り、朦朧とした意識の中で、
みんなで頂上で食べるはずだったチキンラーメンを食べ、
体じゅうの真っ黒な土を洗い流し、
そのまま倒れこむように寝ました。
登頂はできなかったけど、
でもなんかいろんなモヤモヤが吹っ切れた気がします。
これくらいのことをしないと、
ちょっと美味しいものを食べに行ったり、映画を見たり、ドライブに行ったり、
そんなのはもうリフレッシュとは言えないかも。
ルワンダ人おすすめのあやしげな薬を筋肉痛の足に塗りつつ
そんなことを考える今日この頃。