Recording in RWANDA ★ 落ち込むこともあるけれど、わたしは元気です!

2010年9月27日

メンテナンス完了しました

ほんと、すごくダメな一週間でした。

鼻はグズグズ、咳は止まらず、頭はボーッとして、

もうルワンダなんて永遠に発展しなくていいんじゃないか、とか
そうやっていつまでも道端で「おい白人!金くれ!腹が減った!」って言ってればいいよ、とか
そういうどうしようもないネガティブ思考が
頭の先から足の先、毛細血管のすみずみまでしみわたって、

ルワンダ人の言うことなすこと何もかもに腹が立ち、
わたしの一挙手一投足を凝視してる道端のルワンダ人が
「見ろ、白人だ」
「白人が傘をさしてるぞ、白人は太陽がきらいなんだな」
「白人がトマトを買うぞ、おい、ピーマンも買え!」
「見ろ、白人がバスに乗るぞ」
と言っている声がいちいちカンにさわり、
あーもうほっといてほしい、誰もわたしを見ないでほしい、
とすっかり家にひきこもり、

雨季に入ったのにちっとも水が出ない蛇口をにらみつつ、
鼻をかんだティッシュに囲まれて、ふてくされてました。

仕事を早めにあがっても誰も気づかず、
朝から家にこもってても誰からも電話は来ず、
もうこのまま帰国してしまおうかしら、などと思ったりしながら、

そうやって一週間がたとうとしたころ、

なんとなくあきらめ半分で水道の蛇口をひねってみたら
しゅしゅしゅしゅ・・・という空気の抜ける音が。

もしかして・・・と、期待のこもった視線を注ぐこと数分。

ついに茶色い錆色の水がチョロチョロと出てきたのです。
まもなく水は透明になり、
ジャアジャアと勢いよく出始めました。

それを見ていたら、
なんとなーく頭をしめつけていた何かがゆるんでいくような感じがして

「ルワンダ人のスピードでいいから前に進もう」
という思いが、
まるで暗闇でちょっと目が慣れてものが見えるようになるような感じで、
ぼんやりと浮かんできたのでした。

不思議と鼻水も止まり、
外に出てみたら

無精ヒゲだらけの警備員が
「おはよう。風邪は良くなったかい?」と言って
ニヤリと笑いました。

2010年9月21日

省エネの理由

ルワンダ人がどう見ても八分目どころか5割くらいしか力を発揮せずに
なにごともゆっくり、エネルギーを出し惜しみして活動している理由がわかりました。

疲れる。
標高が高くて空気が薄いからなのか(国土の平均海抜が1,500m)
ほんとにちょっとしたことで疲れてしまいます。

やっぱりルワンダ人を見習って、省エネでやっていかないと
こうやってすぐ風邪をひいてしまうのです。
週明けの昨日は朝から喉が痛くて、夕方にはちょっと熱っぽくて
ふらふらしながら牛乳を買って帰り、
身体をあっためようと、火をおこしてクリームシチューを作ったのですが
味見してびっくり、シチューが酸っぱいのです。
買ってきた牛乳を味見して納得。
おばちゃんがペットボトルに入れてくれたのは
牛乳ではなく自家製ヨーグルトだったみたい・・・あーあ^^;

では週末なにをやっていたのかといいますと・・・

まず金曜日は仕事を午前中で切り上げて
午後からJICA事務所で代表者委員会の会議。
今度、隊員全員が加入する自治会みたいなのを立ち上げることになりました。
いちおう、わたし会長なんですが、
みんなボランティアとしてアフリカくんだりまで来てるだけあってとても協力的。
ありがたや~。

そしてそのまま今度帰国する隊員の活動報告会。
それぞれ恵まれない環境(別に水がないとか電気がないとかいう意味ではなく)にあっても
あきらめずにできることを探して孤独な戦いをしていることに
毎回のことながら感動すると同時に、
協力隊派遣ってむずかしい事業だなと再認識。

それから街の中華料理屋さんで誕生日を祝ってもらいました。
ライコホテルという高級ホテルで同期が買ってきてくれた
モカケーキとバナナタルトを食べてルンルンでした。


翌朝は土曜だけど早起きして配属先の同僚といっしょにある農家さんちへ行き、
今度始めようとしているプロジェクトの下見。
理想的な農家さんで、産前産後のケアもやってるし、
乾季のエサがない時期のためにサイレージ(牧草のお漬物みたいなもの)を作って備えてるし、
きれいな水がいつでも飲めるようにしてあるし・・・
ただ、一緒に行った同僚から聞いた上司からのことづけを聞いてまたがっかり。
この農場での受精卵移殖をわたしにやらせようとしてる。
ちがうでしょう。
わたしは技術を教えはするけど、実際に実行するのはルワンダ人です。
代行はしません。
週明けにガツンと言ってやらなくては!と鼻息荒く牧場をあとにし、
急いで同じキガリ市の反対側にあるニャミランボという町へバスで向かいます。

この町の聾学校で活動している先輩隊員が企画した運動会で
競技の補助とか、招集とかの仕事を隊員みんなでバックアップするのです。
このときの写真は今度またあらためて載せようと思ってます。
ふだん、海外の大学を出た(自称)エリートな大人たちばっかり相手にしているぶん、
単純に「子どもは素直でいいなー」と心洗われる思いでした。

運動会をあとにして、そのままみんなで貸切バスに乗って街へ!
間髪いれず、週明けに帰国する先輩隊員の送別会です。噴水と野外スクリーンのある素敵なレストランで
ふだん食べられないごちそうをたらふく食べて大満足。
と同時に、帰国する先輩隊員に感情移入してしまい、
なんだかこのまま帰国の日を迎えていいのかしら、と胸がザワザワしたり。

そのあと帰国する先輩隊員たちとカフェに行って話し込んだりして
半分目が閉じかけながら帰宅。

どうしようかな、さぼっちゃおうかな、と思いつつ
翌朝はいつもどおり朝から教会に歌いに行きました。
でもなんだか調子が出ない。
音痴のエミリエーネの声をカバーできるほど声が出ない。
なんでかなぁと首をかしげつつ、教会のそばの市場で買い物して
喉が渇いたので帰り道のレストランでビール一杯ひっかけて、
家についたらグッタリ。
もう起き上がれませんでした。

冒頭に書いたとおり、
やっぱり日本にいる感覚で週末にいろいろやろうとするとダメみたいです。
ルワンダ人は怠け者なのではなく、
それくらいでセーブしとかないと息が続かない、ということなんですな。

2010年9月16日

あるところにはあるんだな

友達のアンジェリークと会った帰り、

そういえば今日この近くで金物屋のアリスが結婚式するって言ってたなーと思い出し、
ほとんど行く気はなかったけど、急に気が変わって顔を出すことにしました。

家の庭ではお決まりの「親族による長い長いスピーチ」が繰り広げられており、
近くにいた人に「アリスに会いたいんだけど」と言うと
控え室に通してくれました。

ゆみー!!来てくれてたの!?とめっちゃ感激するアリス。
いや、たった今ちょっと寄っただけです、とは言えず、
「そうだよ!ずっといたよ!すてきな結婚式だね!」と流れにのってみるわたし。


それにしても、でかいおうち。
察するに、玉の輿。
家具もきらびやか、結婚式の装飾もゴージャス。

花嫁も、ブライズメイドたちも、お化粧直しに気合い入ってます。
顔からデコルテまで粉をはたきまくってます。
広いお庭に出て結婚式の続きをしばし眺めました。
花嫁が親族にシャンパンをお酌してまわると、
各親族の代表による「かけひき」が始まります。


「おたくのお嬢さんをいただきたい」
「うちの娘は学歴もあるし器量もいい、そう簡単には・・・」
「じゃあ牛一頭贈ろうじゃないか、これでどうだ」
「いや、一頭では娘はやれない」

・・・というのを延々やります。


ここらで暗くなってきたのでこっそりおいとましました。
(いままでの経験では、このあと結納品としてホンモノの牛が二頭登場して、
牛を扱う聖なる爺さん?みたいなのが出てきて歌う。)

子どもの制服一着買うのにも難儀するおうちもあれば
こんなふうに散財する余裕のあるおうちもある。
日本で見聞きする「格差」とはまた違う、もっと根本的な格差。

2010年9月11日

しみじみホリデイ

昨日はラマダン明けで休日でした。
うちの近所にはほとんど見かけないけど、
ムスリムがたくさん住んでるニャミランボあたりは大騒ぎだったのかなぁ・・・?

おととい、JICA事務所から「小包が届いてるよ」と連絡をもらい、
喜び勇んで受け取りに。

た、たんじょうびプレゼントだ・・・

ニヤニヤしながら帰宅してさっそく開けてみたら
中から日本の香りがほわわーんとして
幸せがこみあげてきました。

もとの職場から。
なんでわかったのー?ってくらい、食べたかったものばかり。
どうしよう、どれから食べよう、と、もったいないなくて迷ってしまいます。
ビオフェルミンもありがたや・・・

内科の後輩から。
昭和の発明品みたいな色のチェキ。
少し前に突然、「キリさんのカメラってどんなのですか」ってメールで聞かれたのだけど
・・・こういうことだったのか!

父と母からの手紙と、妹からのプレゼントと叔母からのプレゼント。
父の手紙には、2、3歳の妹とわたしの写真が入ってました。
母とはしょっちゅうメールでやりとりしているけれど、
たまーに送られてくる父からの手紙は心に響きます。
で、ラマダン明けの今日は、
緑茶を飲み、小包に入ってたおせんべいをかじりながら、
妹からのプレゼントの本をのんびり読みました。
しあわせだ・・・
今日読んだのは、金子みすゞの詩集。
心がほっくり丸くなっていく。
活字中毒の妹が薦める本にはハズレがない。
あと二冊もある。たのしみ。

2010年9月7日

おおいそがし誕生日

9月5日はわたしの誕生日です。

「どこに住んでるのか?」
「ルビリジの~の近くだよ」
のやりとりのあとには、必ず、老若男女100%の確率で
「いつ招待してくれるんだ?」
と聞くのがルワンダ人の癖です。
それくらい、ルワンダ人は招いたり招かれたりするのが大好き。

正直、自分の暮らしぶりを見られるのに抵抗があり、
(どう考えても同僚の誰より立派な家を借りてるから)
しかも飲み物や食べ物を振舞わないといけないわりにみんな手ぶらでくるし、
どうしようかと一年間ためらっていたのだけど、
最後の誕生日だし、思い切って同僚たちを家に招待することに。

さぁ準備だ準備だ!

とはいえ、日曜日なので朝は教会に行かなくては。

書いたかどうか忘れたけれど、半年くらい前から聖歌隊に入って歌ってます。
大きな声で歌うのはストレス発散にめっちゃ最適。
友達もたくさんできるし、ミサの間、眠くならずに済むしね。
この子、同じパートのエミリエーネ。
キニャルワンダ語の歌だと上手なのに、英語になるととたんに音痴になるので大変。笑

教会をあとにしてそのまま市場で食材を買い込み、
急いで家に帰って、炭で火をおこします。
それでお湯をわかしつつ、うちのかわいいジャックJr.(ニワトリ)をしめます。

ジャックJr.を唐揚げにしたら、
トマトパスタと、フライドポテトと、サラダと、オムライスを作って
その間に次々とやってくる同僚たちを迎え入れ、
飲みたいものを聞いてそれを隣の商店に買いに行きます。
ルワンダ流おもてなしで最もよく出される(というか、これしかない)のが
以下のラインナップでございます。

ファンタオレンジ (通称 オランジュ)
ファンタシトロン (通称 スィートロ)
コカ・コーラ (通称 コカ)
ビール (ムツィング、アムステル、スコール、ターボキング、プリムスから選ぶ)

どれも瓶に入ってて、おぼんに寝かせた状態でお客さんの前までもって行きます。
で、お客さんが見てる前で栓をあけます。
毒を入れてませんよ、というアピールらしい。
ファンタのお客さんにはストローが必須です。
ビールのお客さんはグラスについであげます。
めんどくさー。

興味津々で料理を取り分ける同僚たち。
飲んだり食べたりしながら、たわいない話をして、
ハッピバースデーの歌を歌ってもらい、
あっという間にお開きの時間。

ひとりになった広いリビングで
上司の秘書がくれたまずいアラブ産チョコを食べつつ
お母さんの作ったケーキが食べたいなぁとぼんやり考えました。

なんだろ・・・怒涛のようにやってきて、去っていった同僚たち。
まぁ初めてのことだったし、楽しかったし、いいか。

おまけ。
ブレード編んだら髪が洗えないから、痒さと臭さとの戦いだ、というセオリーをくつがえし
シャンプーでじゃんじゃん洗ってるわたし。
意外とくずれないのです。

2010年9月3日

エキスポ!Expo!

予告どおり仕事の愚痴を書こうと思ったけど
なんか悲しくなってきたので
母親にメールで愚痴ることにして。
とにかくあと10ヶ月、焦らず、くさらず、前に進みます。


先週末は、ルワンダで唯一のお祭、エキスポに行ってきました!
ひろーいグラウンドのようなところに、年に一度大きなテントが立って、
その中を細かく区切って、それぞれの区画に予約した国内外の企業や住民グループが
自分たちのビジネスをアピールしたり、生産品を販売したりするためのブースを展開する、
そういう展示会のようなものです。

自分の活動に関係のある企業について情報が得られたり、
ルワンダ各地の住民グループが作っている手工芸品が一同に並んだりするので、
特に娯楽らしい娯楽のないこの国では隊員たちもこの期間を心待ちにしています。
紅茶会社のブース。
実際の紅茶の苗も並んでたり、入り口にはこんな凝ったモニュメントもあったりして
目を引いてました。
ルワンダティーは世界一おいしいんだ!とみんな言います。
そんなにおいしいお茶なら、沈んで層になるくらいお砂糖入れなくていいのにね・・・
まぁでも国産のものを誇りに思うことはいいことだな、とホッとしたりします。

ツーリズムがまだまだ未発達のこの国にも
キャンプ用品を扱う所があったなんてびっくり!
スタッフのお姉さん、くつろぎすぎだよー。


住民グループが所狭しと生産物を並べるブース。
村落開発普及員として活動する先輩隊員が村人たちといっしょに
トマトジャムを販売してました。
収穫時期に売れ残って市場で廃棄される熟しきったトマトを商品化するために
この先輩隊員が開発したものです。
買って帰って食べてみたら甘酸っぱくてパンにもヨーグルトにも合う!
もうひと瓶買えばよかった~。


サイザル麻を使った手工芸品もたくさん並びます。
ひとつひとつ丁寧に編んであるし、色も鮮やかで、
ついついあれもこれも欲しくなって大変です。

日が暮れてくると、特設ステージの上で口パクで歌い踊るパフォーマーも
ますます音源のボリュームを上げ、
見てる人たちもビール片手にノリノリです。
買って、飲んで、食べて、
日ごろの原始生活の憂さを晴らすように消費した一日でした。