南西の村に出張した帰り路肩に止まっている一台のトラックに遭遇。
牛を屠畜場に運ぶところのようです。
「なんかおかしいぞ」
一緒にいたルワンダ人獣医が車を止めました。

トラックが故障したらしいのですがどう見ても明らかに重量オーバー。
それにこの牛の積みかた・・・ひどすぎる。
何頭かは他の牛の下敷きになっていたり、下顎だけでロープにぶらさがっていたり。
ロープに全体重がかかってひどい浮腫を起こしている牛、けいれんを起こしている牛もいます。
この国の牛と人との関係はとてもよくて
牛飼いさんは愛情と敬意をもって牛に接していて
いつもわたしはそんな光景に励まされているのに・・・
なんだこれは!
わたしと一緒にいたルワンダ人獣医がトラックの運転手を呼び出して
身分証明や牛の搬送証明書を確認しているあいだに
トラックに同乗していた男たちに指示して牛を降ろさせました。
何頭かは立つこともできません。
数えてみると、積載上限頭数より7頭も多いようです。
3トン近くオーバーしていることになります。
そりゃあこんなおんぼろトラック故障するはずです。
はじめは遠巻きに見ていた男たちも
わたしがそこにあったロープで牛をつかまえて移動させ始めたら
「おぉ、このムズング(白い人)ルワンダの女より強いぞ」とザワザワし始めました。
「なんであんた牛の扱い方知ってるのか?」
「頼むよ、警察に通報するのは勘弁してくれよ」
「どうせこいつらはニャブゴゴに着いたら殺されるんだ」
ニヤニヤしながらそう言う男たちに腹が立ってきました。
「載せていいのは25頭までだよ!
32頭も詰め込むから、牛がこんなひどい状態になるんだよ!
あなたたちはこんなことしたらいけない!
牛に敬意をはらわない人はぜったいお金儲けなんてできない!」
英語とキニャルワンダ語が混ぜこぜになって
言っているうちに頭に血がのぼってくやしくって涙が出そうになりました。

けっきょく警察が来て、彼らは牛を二台のトラックに分けて運ぶことになりました。
違法な積載許可を出した現地の獣医もたぶん罰せられることになると思います。
彼らの生活が苦しいのはわかるけど
結局こういうことを繰り返していたら
必ずしっぺ返しを喰らうのは彼らだと思うのです。
悲しい気分で帰路につきました。